永久脱毛という呼び方から生じる認識のずれが問題

ムダ毛の処理をする時、医療機関に行くべきか、脱毛サロンに行くべきかで悩む人は多いでしょう。
一番の悩む原因は、一般的に医療機関で受けるレーザー脱毛なら、一度脱毛してもらったらずっと毛が生えない、いわゆる永久脱毛が可能になるのに対して、脱毛サロンで受ける光フラッシュ脱毛だと、いずれまた毛が生えてくることになるという認識がまかり通っているからです。
けれど、これは正直言って、誤解といっていいでしょう。
それというのも、サロンの光フラッシュ脱毛にしろ、医療機関のレーザー脱毛にしろ、毛の黒い色に反応してその根っこにある毛母細胞を破壊し、毛が生えてこなくするという原理は同じで、その効果に大差はないからです。
確かに、レーザーの方が強い出力で処理ができることから、少ない回数でヒゲ脱毛を終えることができますが、顔の表面に出てきているヒゲというのは、全体の数からいうとほんの一部でしかないのです。
例えていえば、人間が自分の意思でもって考えている顕在意識はごくわずかで、その下に自分の意思では制御することができない大きな潜在意識が隠れているようなものです。
毛には毛周期というものがあり、休止期に入った毛穴の毛はしばらく生えてくることはありません。
光フラッシュやレーザーを当てて取り除けるのは、成長期にある毛だけで、それ以外の退行期に入った毛や休止期の毛穴にある毛母細胞にダメージを与え、生えてこないようにはできないのです。
そのため、永久脱毛の定義も、これで脱毛は終了ですと言われた一月後に生えてきた割合が20%以下、つまり80%が取り除かれていれば、永久的に脱毛ができたといっていいとされています。
このことを知らなければ、永久的に生えてこないと言っていたのに生えてきた、だまされたということになります。
けれど、施術時には休止期や退行期に入っていた毛が、施術を終えた一月後に生えてきた20%に相当するならば、やはり永久的な脱毛は行われたと考え、改めて対処する必要があるというわけです。

ヒゲは手ごわいと心得よう

男性の体毛は比較的太く、濃いという傾向がみられますが、特にヒゲは太く濃く、狭い範囲に密集して生えるというところが特徴です。
そのため、成長期にあるヒゲもあれば、一見普通に生えているように見えても、実は根本はすでに毛乳頭から離れてしまい、退行期に入っている毛もあります。
また、休止期で毛穴に毛がなく、脱毛が終わったと思った時点から生え始めるということもしばしばです。
そのため、ヒゲを完全に取り除くのは手ごわいということを、まず最初に肝に銘じておく必要があります。
その上で、まずは今あるヒゲの中から、成長期にあるものを取り除くことから始めるのが、ヒゲ脱毛であると考えておくようにします。
脱毛を行っている途中で退行期に入ったヒゲは自然に抜けていきますので、あたかも脱毛ができたかのように思えますが、これはまたいずれ生えてきます。
うまい具合に、脱毛処理中に成長してきた毛はしっかりと毛母細胞にダメージを与え、生えてこなくすることができますが、顔にあるヒゲの本数は非常に多く、毛周期はそれぞれの毛穴によって異なるため、一定期間で全てを生えてこなくするのは、どう頑張っても無理なのです。

一年に一度は行うメンテナンス感覚を持っておくのがいい

これで脱毛は終わりましたということになれば、その時点では確かに肌はツルスベ状態でしょう。
ただ、男性のヒゲの成長期は一年とされていますので、比較的長い間成長期が続くことから、80%を処理し終えたあとに生えてきた毛に関しては、一年に一度、メンテナンス感覚で再び脱毛処理を行うのがおすすめです。
これを何年か繰り返すことにより、いずれは全ての毛穴にあった毛母細胞が破壊され、完全な永久脱毛が実現すると思われます。
つまり、最初にとりかかり、もっとも時間をかけて行った処理では、完全に無駄なヒゲをなくすことはできないということです。

人によってメンテナンス期間も異なる

もともとヒゲが濃い人であれば、少し生えてきただけでも今度は逆に目立つでしょうし、量の多い人も同様です。
一方、それほど濃くはないけれど、やはり生えてきたとなると目立ちますので、一年に一度といった感覚でメンテナンスに通うのがいいとはいえ、あくまでも一般論です。
いったんツルスベ肌になった後、3年ほどはツルスベ状態を保てる人もいれば、もっと早くに生え始める人もいます。
また、一年に一度のメンテナンスでは足りず、またヒゲが生えてきたという人もいるでしょう。
ただ、ヒゲの成長期はおよそ1年間とされていますので、生えてきたらその都度行くという方法もいいでしょうが、一定期間様子を見るというのもいいでしょう。
そうすれば、ある程度隠れていたヒゲが成長期に入ったことででそろって出てきますので、そのタイミングで取り除けば、また次は一年後ということで対処できます。
ヒゲにおける永久脱毛とは、ある程度の繰り返しが必要という理解でいると、イライラせずに済みそうです。