脱毛の仕組みと原理をまず理解しよう

ヒゲに限らず、ムダ毛の脱毛をする場合には、どのような仕組みと原理で脱毛が成り立つのかを知っておくと、安心して脱毛に取り組むことができるでしょう。
まず、ヒゲに限らず、毛全般についていえることですが、毛とは皮膚に付属する角質器で、ケラチンという物質からできています。
角質器とは表皮が角質化してできた器官のことで、毛だけでなく蹄や鉤爪、角に嘴、羽なども含まれます。
人に限っていうなら、毛と爪が該当するといえるでしょう。
その他は、主に動物にみられる特徴です。
さて、そんな角質器の一つである毛は、皮膚の上に出ている部分を毛幹と言います。
さらに皮膚の中部分を毛根といい、根っこ部分に毛根、毛乳頭、その上に毛母細胞があり、毛の周りには毛包と呼ばれる毛を包み込む空間があります。
毛は毛乳頭から育ち始め、毛母細胞から栄養を取り込んでぐんぐん成長し、成長期を迎えます。
その後、毛は毛乳頭から離れる時期が来るのですが、この時期を退行期と言います。
退行期に入った毛は、皮膚の上に出ている毛幹から見ていると、しっかりと生えているように見えますが、皮膚の中の毛根部分の中ではすでに毛乳頭から離れてしまっているので、当然のことながら毛母細胞から栄養を取り込むことができず、いずれ抜け落ちてしまいます。
こうして毛穴の中から毛がなくなってしまった毛穴を休止期と呼びます。

脱毛はどうやって行われるのか

ヒゲもその他の部分の体毛も、毛穴と毛の成長は全く同じ原理で成り立っていることから、脱毛をするには成長期にある毛にダメージを与えることが、ヒゲはもちろん、ムダ毛と感じている毛を減らすためにもっとも重要です。
脱毛の方法には、大きく分けると医療機関で受けられるレーザーと、脱毛サロンで広く行われている光フラッシュ脱毛の二つがあり、どちらも毛穴の中に熱を加えることによって、毛乳頭にくっついて成長している毛にダメージを与えることによって、以後、毛が生えない状態にするがの原則です。
光やレーザー脱毛の場合、退行期に入って毛乳頭から毛が切り離されてしまっている状態では、いくら熱を与えてもそもそもくっついていないことから、光を当てると全て抜け落ちるものの、また生えてきます。
毛乳頭に毛が生えていなかったために、ダメージを受けていないからです。
そのため、脱毛が成功するのは毛乳頭にしっかりくっつき、毛母細胞から栄養を受け取れている成長期の毛だけということになり、ヒゲでいうと全体の20%にしかならないと言われています。

ヒゲ脱毛では毛乳頭と毛母細胞がもっとも重要

男性のヒゲは太く濃く、さらに狭い部分に密集して生えています。
また、一日に0.3~0.4mmは伸びるとされているほど、成長が早いのも特徴です。
ヒゲの本数は成人男性でおよそ2~3万本で、体毛全てを合わせると100万から150万本ほどあるとされることから、ヒゲはほんの少しという印象をもってしまいがちですが、1平方センチの中で考えると平均して120本も生えていることになりますので、スペースと比較すると非常に多くの毛が生えているということが分かります。
そんな毛を脱毛するカギとなるのが、毛を細胞分裂させることによって長く伸ばす働きを持つ毛母細胞を破壊することです。
毛母細胞が破壊されると、毛は細胞分裂をすることができなくなりますので、成長ができなくなり、生えてこなくなるからです。
そのため、ヒゲ脱毛においては毛母細胞を熱によって破壊するというのが、原則です。
一般的にヒゲ脱毛にはクリニックで受けるレーザー脱毛、サロンで受ける光フラッシュ脱毛とニードル脱毛の3種類がありますが、全て熱を与えて毛母細胞を破壊するという原理は同じです。

一般的には二者択一が多い

ニードル脱毛は非常に強い痛みを伴うことから、白髪やうぶ毛など、レーザーや光フラッシュでは対応できない、つまり黒くない毛を脱毛するために使われる方法ですので、ヒゲ脱毛をするにあたっては、クリニックでのレーザーか、脱毛サロンの光フラッシュかという二者択一になるといっていいでしょう。
レーザーはメラニンに対して作用するため、毛穴の中にメラニンが存在しない休止期にある毛穴以外は、全て作用するのが特徴です。
一方の光フラッシュは、毛母細胞とくっついた状態の成長期にある毛でないと光フラッシュによって与えた熱の効果が与えられませんので、クリニックよりも時間がかかります。
ただ、レーザーは効果が出るのが早い分だけ料金も高めですし、痛みが脱毛サロンより強いという点をデメリットと感じる男性が多いのも事実です。
サロンを選んだとしても、だんだんとヒゲが薄くなってお手入れが楽になっていくのであれば、料金が安い方が続けられるという人は、脱毛サロンの方が向いているといえます。
どちらもヒゲが生えてこないようにするための原理は、毛母細胞を熱で破壊することという点で共通していますので、あとは自分の好みでどこで施術を受けるかをじっくり考えるのがおすすめです。